落倉自然園の少し先の道路沿いに「風切地蔵」と呼ばれるお地蔵さんがある。見守る先には鬼無里の柄山峠があり、そこにも風切地蔵が祀ってある。更に風切地蔵が祀られている場所がある。それは新潟県の最高峰小蓮華山山頂。そして小蓮華山から落倉、柄山峠の風切地蔵を結ぶラインは一直線に伸び、冬至の太陽が昇る方向を指し示している。
風切地蔵のラインが黄泉の国と通じる冬至の太陽が昇る方向を一直線に指し示している事は、古来太陽信仰と無縁ではなさそうだ。それは小蓮華山が昔は大日岳と呼ばれていたこと、またラインの線上には戸隠神社奥社があり、天照大神の岩戸隠れの伝説で知られる天手力雄神が祀られていることが物語っている。さらに戸隠奥社に繋がる参道がこのラインに平行に沿っている事も何か曰くがありそうだ。
案内板には「風切地蔵(風除地蔵)は風害防除だけでなく疫病をもたらす悪霊をも追い払ってくれたようだ」とある。古来の人々は石には神が宿ると信じていた。それが庶民信仰と一体となり、今でも塩の道沿いの村々の辻や外れには名残の石や石仏が数多く残っている。
今日は朝から空がどんよりと曇っていた。
まだ午後の二時を少し回った頃だというのに、辺りが不気味なほど薄暗くなって、まるで夕暮れ時のようだ。こんな事がある度事に先人達は石仏に手を合わせて来たんだろうなぁ。
現代人は何か途轍もなく大切なものを忘れかけているような気がする。


















