花壇のヒオウギの実が割れて顔を覗かせていました。万葉の歌人に愛された「ぬばたま」です。
葉が桧扇(細長いヒノキの薄板を綴じ合せて作った扇)を思わせることから、檜扇(ひおうぎ)の名が付いたと言うけれど、まるっきりそのまんまです。^^;
本来の淡い黄色の花を期待したのですが、赤花の系統の強い花色で咲きました。ヒオウギ属は世界で一種だけなのだそうです。
園芸種の名がモントブレチア。フランスで交配作出された花だそうですが、日本名の姫檜扇水仙(ひめひおうぎずいせん)の方で覚えます。姫は小さい事を表し、檜扇に似て、水仙のように球根がある。
栂池自然園で群生するヒオウギアヤメも、葉の根元が似るので、ヒオウギの名が付いています。
花後の実の形がユリ科のニッコウキスゲに似ています。ニッコウキスゲは実が割れてから中の種がぽろぽろと零れますが、こちらは完全に裸になっても確りと軸にくっついています。この漆黒の実を昔はウバタマ(烏羽玉)とかヌバタマ(野羽玉)と呼びました。
ヌバは黒色を表す最も古い言葉といわれています。万葉集では黒髪や黒衣、夜、夢、宵など黒を連想させる物の枕詞として、79首もの歌が詠まれているそうですが、花や名の基になった葉は一切出て来ません。また平安文学では「ぬばたま」はぴたりと姿を消してしまうのだそうです。不思議ですね。
居明かして 君をば待たむ ぬばたまの
我が黒髪に 霜は降るとも
我が黒髪に 霜は降るとも
作者不詳
万葉の頃の夫婦は同居せず、夫が妻のもとへかよう通い婚だったので、こんな歌が詠まれたんですね。
「お前百までわしゃ九十九まで、ともに白髪の生えるまで」
連合いには先に死んで欲しくないのは山々ですが、100歳以上が4万人を突破したと聞くと、長生きも程々にしたいと思う今日この頃です。


























































