オミナエシ科オミナエシ属の多年草
山上憶良が詠んだ秋の七草のひとつ姫部志(をみなへし)。この歌を含め万葉集では十四首のオミナエシが詠まれているが、女郎花の漢字は出てこない。女性を古くはオミナと呼んだことから、娘、娘子、姫、佳人、美人など、いかにも奥ゆかしい日本の女性を思わせる漢字を「オミナ」にあてている。「女郎花」という漢字をあてるようになるのは平安時代の初め頃から。貴族の令嬢・令夫人の敬称が「女郎(じょろう)」だった。
京都の西の八幡に住んでいた小野頼風(おののよりかぜ)という男に恋をした女が、男の通ってこなくなったことをはかなんで男山の麓の川に身を投げた。その時の脱いだ山吹色の衣から「女郎花」が生えてきたという古い伝説があり。女郎花の漢字を使う根拠にされてきたという。謡曲「女郎花(おめなめし)」はこの話を基にしているのだそうな。

女郎花(オミナエシ) |
オミナエシの名の由来は諸説あるが、その一つに黄色い粟粒のような花を粟飯に見立てた説がある。粟は五穀の一つだったが、米の方が勝る。米の飯を男飯と呼び、それより劣る粟飯を女飯(オミナメシ)とした。後に「メシ」が「ヘシ」から「エシ」に変化。
中国では女郎花の仲間を薬草としていた。乾燥させる過程で醤油の腐った臭いがする事から「敗醤(はいしょう)」の字の付く物が多い。細く優しげな姿の女郎花を女敗醤。大きく茎の太い男郎花を男敗醤。やがて"ハイショウ"から"ヘシ"に転訛。
万葉集に出てくる姫押(をみなへし)から、ヘシを古語の"圧し"とする説がある。へこますとか圧倒する意味合いがあり、「女圧」で"女性を圧倒する美しさがある"とする。
「ナヘシ」は「ナベシ」の転訛。"ナベ"は「並ぶ」「押並べて」に通じ、花序が平らに並んで配列しているから。

ヲミナヘシ |
名にめでて 折れるばかりぞ 女郎花
我おちにきと 人にかたるな
愛しさのあまり、思わず花を手折ってしまい「堕落したなんて人には言わないでね」と女郎花にお願いしている僧の姿が可笑しさを誘う。

男郎花(オトコエシ) |
「男郎花(おとこえし)」は姿に似ず悪臭があり、それ故漢名が「白花敗醤(しろばなはいしょう)」とは男にとってはあまりにかわいそうです。細くしなやかで優雅な女郎花に対し、茎も太く葉も大きく全身毛だらけな男郎花は理解できるが、"ヘシ"の由来が決まらない。太井メは「男飯・女飯」説がお気に入りだが、男女同権の世の中では使う勇気がない。
はてさて、みなさんはどの説がお気に入りだろうか。

太井メでした L(^o^ve) |