苧環(おだまき)のうんちく

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苧環(おだまき)の苧は「カラムシ」の事でイラクサ科の多年草です。弥生時代の遺跡からカラムシの繊維で織った布の一部が発見されていますから、古代から大切にされていただろう事が伺えます。
茎(カラ)を蒸して皮を剥くので「カラムシ」との説があります。
剥いた皮を細かく裂き、縒りを掛けて糸に仕上げるのですが、この糸を円く巻いた物を苧環(おだまき)と言いました。植物のオダマキは花の形がこの苧環に似ているので名付けられたと言われています。
 

ミヤマオダマキ
日本のオダマキの野生種はミヤマオダマキとヤマオダマキ、ヤマオダマキに似て距の先端が丸まっているオオヤマオダマキの三種類です。古くから観賞用として改良種がたくさん栽培されていますが、皮膚炎を起こす等、有毒植物とされていますのでご注意を。
 

ミヤマオダマキ(白花)
いにしへの しづのをだまき くりかえし
昔を今に なすよしもがな
伊勢物語・三十二段
「昔の女にこの歌を送ったが返事はなかった」と言うとても短いお話。「しづ」は倭文(しどり・しずり)と同義語で古代の織物の事です。
「倭文の糸を何度も何度も繰り返し苧環に巻き取るように、昔を今に引き戻せたらいいのに」と、ヨリを戻しませんかと誘う歌です
 
いにしへの しづのをだまき いやしきも
よきもさかりは ありしものなり
よみ人しらず (古今集・雑上)
伊勢物語の歌の本歌がこれのようです。
「倭文(しず)の苧環(おだまき)」と「賎(しづ)の男(お)」(身分の低い男)を掛けていて」「身分の卑しい男も、身分の高い男も同じように人生の盛りはあったんだよ」
 

園芸種のオダマキ
しずやしず しずのをだまき 繰り返し
昔を今に なすよしもがな
義経記・第六巻「静若宮八幡宮へ参詣の事」
一人静で取り上げた歌ですが、上記の二つの歌を踏まえてこの歌を読み解くと、静御前の義経への思慕と強烈な源頼朝への皮肉が込められていて、栄華を誇る頼朝が腹を立てた気持ちも解るような気がします。
 

静御前の舞姿
野草の名前(山と渓谷社)の著者は、オダマキは古くは「イトクリソウ」と呼んでいたし、花姿も木枠で作られた糸巻き「籆(わく)糸巻き」の方に良く似ている事から、命名者は糸玉の苧環と混同したのではないかとしている。確かに五本の柱で作られた籆糸巻きは花のオダマキの後方に突き出す距の数と同じだし、中心の柱を省略した家紋の枠糸巻きもオダマキの花の姿に似ているが、歌舞伎「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」の錦絵の苧環が持ち手の付いた糸巻きで描かれている所を見ると、少なくとも江戸時代以降には苧環と籆巻きは既に混同され一般化していたようだ。
 
 

太井メでした L(^o^ve)




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このページは、hutoimeが2010年6月27日 22:08に書いたブログ記事です。

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