藤(ふじ)

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マメ科フジ属のツル性落葉木本
 

現在「藤」と言えばフジ棚から長く垂れ下がる紫の花を思い起こすが、古代でのフジはツルの方が大切で有ったに違いない。古墳の石棺に使われている何トンもある巨石を運ぶには、曳綱が必要だったはずで、大量に採取でき丈夫な縄になる物と言えば、藤蔓以外には考えられない。
今でも諏訪神社御柱祭の御柱は、太い藤蔓を縒り合せた曳綱で運ばれている。
 

フジは古来から建築材料としても欠かせないものだった。また古事記には母親が息子の為に、藤葛(ふじかずら)で衣服や弓矢を一夜にして作ったとあり、万葉集でも海人の衣服を藤衣(ふじごろも)と詠んでいる。古くから生活に密着した植物だった事が伺える。
 

万葉集には二十首以上歌われており、風に揺れる花房を「藤波」と表わした歌も多い。また宿や庭に植えられたフジを歌った物もあり、観賞用として栽培され始めたのはこの頃のようだ。
 

平安時代になると観賞の対象として更に高い位置に置かれるようになる。貴族たちによる「藤見の宴」も盛んに行なわれた。平安京の藤棚の庭は藤壺と呼ばれ、源氏物語にも光源氏の理想の女性として藤壺が登場する。花色の紫は高貴のシンボルであり最上の色とされた。
 

この辺りの野生種は「ノダフジ」で右巻に絡み付く。巻き付く様子を真上から見て、時計回りに絡み付くのが右巻。反対に左回りに巻き付くのが「ヤマフジ」で花序はもっと短い。
 

子供の頃には蔓で籠を編んだり、樹皮の内皮を灰で煮て皮を細かく裂き縄を縒った記憶がある。親父の着ていた蓑は、この内皮を編み込んだ防水性の高い物だったような気がする。
最近の山に藤の花が目立つようになったのは、生活の中でこうした藤蔓を利用する事が少なくなり、加えて輸入材の利用増加に伴い森林整備が疎かに成っていった証だろう。


(´・(ェ)・`)~~hutoi




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このページは、hutoimeが2009年5月29日 20:13に書いたブログ記事です。

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