ガイド養成講座第4回(八方編その2)

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八方尾根の黒菱平から上部は中部山岳国立公園に指定されており、昨日記した植物の垂直分布の逆転現象が見られる「八方尾根高山植物帯」として県の天然記念物に指定されている。それだけ貴重な植物が多くみられると言うことだ。その中でも名前に「ハッポウ」を冠する植物が数種あり、今回は写真に収めたのでその幾つかをご紹介しましょう。
 
ハッポウアザミ(八方薊)
キク科アザミ属
花の基部に小さな鱗片状の葉のようなものが瓦状に並ぶ。この一つ一つを総包片(そうほうへん)といい、全体を総包という。アザミ属の判別にはこの総包と総包片が重要な手がかりになる。ノアザミの花は上向き。総包は丸く触ると粘りがある。ハッポウアザミは、見た目はオニアザミに似るが、タテヤマアザミに近い。総包には薄いクモの糸状の毛があり、総包片が尖って反り返るのが特徴です。

ハッポウアザミ
 
ハッポウタカネセンブリ(八方高嶺千振)
リンドウ科センブリ属
センブリは別名トウヤク(当薬)とも言われ、腹痛の薬として広く知られている。煎じるとき千回振ってもまだ苦味成分が出るので千振、それだけ苦味が強いことを表しているようだ。花冠は五つに深裂し秋に種子から発芽し根生葉のまま越冬する。同じ仲間で花色が淡青紫色になるのがムラサキセンブリ。その高山型にタカネセンブリがあり、1cmに満たない小さな花冠は四つに割れ十字型になる。花は濃青紫色の斑点が入り、先端の方に数個つけ背は低い。タカネセンブリ(チシマセンブリ)は下の樺より上部の高山帯にある。八方尾根特殊植物のハッポウタカネセンブリは、茎の下方からよく分枝しそれぞれの枝の先に更に数個の花を付けるので見つけやすい。あまりに苦いので顔を千回振るってのは冗談か?発毛促進剤にも混入されているようだ。

ハッポウタカネセンブリ
 
ハッポウワレモコウ(八方割木瓜)
バラ科ワレモコウ属
漢字カナ変換では「吾亦紅・吾木香」と変換される。金田一京介氏は吾木香とし(吾亦紅とも書く)としているが、香りは無いようだし名前の由来となるとどうもピンと来ない。前川文夫氏(著)「植物の名前の話」によると、宮殿や神社の御簾(ミス:部屋と部屋を仕切るスダレ)のうえに横に幕のように張った布を帽額(もこう)と言う。帽額は瓜を輪切りにした図柄「果紋」(かもん)が入っていた。この紋のことを木瓜(もこう)とも言った。この図柄がワレモコウの花に似ており、蕾を良く見ると十字に割れている。よって「割木瓜」と称す。ハッポウワレモコウは、唐糸(中国製の絹糸の総称)草(カライトソウ)とワレモコウの雑種と考えられている。

ハッポウワレモコウ
 
ハッポウウスユキソウ(八方薄雪草)
キク科ウスユキソウ属
ミネウスユキソウの変種。茎葉の角度が45~60度と斜上するのが特徴。八方尾根にある物はほとんどがこのタイプ。五竜遠見尾根でも確認されている。ヨーロッパアルプスのウスユキソウの仲間は「エーデルワイス」だけであり、そのため珍重されている。しかし日本には10種を超える仲間があるためさほど珍重されていないようだ。名の由来は、花の固まりの周囲にある花弁のような包(ほう)「包葉」が薄雪で覆われたように見えるから。花の地味な種はガクに相当する総包が、花弁状に変化するものが多い。昆虫達へ花の存在をアピールするためだろう。

ハッポウウスユキソウ
 
今回は撮影できませんでしたが、他にハッポウウサギギク
ハッポウツガザクラがあります。


(´・(ェ)・`)~~hutoi

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このページは、hutoimeが2007年8月 9日 17:53に書いたブログ記事です。

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